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千葉県・千葉県勝浦市興津〜守谷
興津海水浴場〜おきつトンネル〜守谷海水浴場(外房線「上総興津」駅)2004.7.3
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「房総シリーズ」
7/3 快晴。微風。
前回の保田〜上総湊に続いて、今回も千葉県房総半島。今度は内房線じゃなくて、外房線の上総興津。勝浦の一つ先にあるこの場所は東京の新宿からおよそ3時間。まだ見たことのない、知らない渚を見にやってきた。千葉の海岸は神奈川に比べるとまだまだ知らない場所が多く、その分新鮮な気持ちで小さな旅を満喫できるのがいいところだ。
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「旅の途中の、恥のかき捨て」
上総興津は、自分のような東京の人間から見たら、田舎=見知らぬ土地。だから慣れない事も多々ある。
それはまずいきなり到着直後に起きた。
駅に着いて、トイレに行きたくなった。ところが、トイレには紙がなかった。駅舎まで戻って、窓越しの駅員に「そこのトイレって、紙、補充したりしないんですか?」と訊ねる。すると、「最初からないよ。紙は買ってください」と返ってきた。「・・・紙はどこで売ってるんですか?」すかさず問い返す。「この道を真直ぐ行って突き当たりを右に曲がると薬局があるから、そこで買って」・・・随分歩くのだな、と観念した。すぐ傍にお店は何軒もあるのに、そこまで行かないと買えないのだろうか。カルチャーショック? トイレに紙があるのは当たり前という感覚は日本人独特なのだろうか。当然タダでなくとも構わなかった。そこまで傲慢じゃない。でも、せめてトイレの傍に紙の自販機を置くか、すぐ傍の観光案内所やみやげ店でティッシュペーパーを販売するくらいの気配りが欲しかった。この歩く距離を縮める部分にこそサービスがあるはずだ。サービスとは一体何なのだろう、と半分真面目にそう思った。残りの半分は、自分の置かれたこの変な状況にニヤニヤしている心境。
薬局は果てしなく先にあった。仮に無事に薬局へ辿り着いても、再び駅横のトイレまで戻ってこられるのだろうか。もし途中で・・・。そう考えると、とても不安になった。しかも、そのティッシュペーパーはバラ売りではなかった(6パック)。全部使い切れるわけもなく、このまま捨てるだなんて良心が許さないし・・・。結局、余った紙は、終始この小さな旅に携帯する事になった。これはもちろん、今では、外出の際に常にティッシュを持ち歩く習慣がなくなってしまった自分の落ち度も含めた笑い話だ。
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「静かな海岸へ」
上総興津駅前正面の通りを真直ぐ歩き、先ほど買いに立ち寄った薬局がある右側ではなく、左側の道へ進路をとる。民家をはさんだ向こう側には興津海岸が見える。葉山の海岸に来る時に民家の間を通り抜ける感覚と似た気分だ。
浜辺はとても静かだった。砂はとても白い性質。水は淡くクリア。しかし、防波堤に打ち付ける波は決して柔らかくはなく、時折荒々しさを顔を覗かせる。人の生活と共有し密接に結びついてる湘南とは対照的に、より自然の側の所有物である事をこちらに意識させる。千葉県の海岸には概ねそういった印象がある。
時刻はお昼過ぎだった。7月の土曜日なのに、まだ浜辺には人が多くない。しばし、浜辺を撮り歩いた。この浜辺には磯場もあるし、防波堤で釣りを楽しむ事もできる、とても選択肢の多い海岸だ。しかも、プライベートビーチ感が強く、静かに愉しみたい人にはオススメの場所。
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「その先の房総を見に。」
興津海岸脇を出て、国道128号線へ。上の写真を真直ぐ歩いてこの次に向かう場所は、守谷海岸と呼ばれる場所。今日二ケ所目の海岸だ。前回に引き続いて、房総の海をハシゴする事にした。10分ほど歩けば移動できてしまうくらい場所が近いからできる事。前の晩に何度も地図を見てルートを確認。僅かな距離でも確かに歩きたい。
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「街道を往く」
さきほどの場所から先へ行くと道が二股にわかれる。そこを右へ行くと、写真のようなトンネルにでくわす。ちょっと驚いたのは、トンネルの穴が二つも並んでいた事。一瞬ためらったのは、てっきり右のトンネルは今ではもう使われていないトンネルなんじゃないかと思ったからだ。そして、そんなトンネルには何時だって恐いエピソードの一つや二つ噂されるもの。
左は車道用で、右は歩行者用という事で、もちろんどちらのトンネルも現役。だから別に恐い事は何もないのだけど、歩いている人が自分以外いないからちょっとドキっとしたりもする。守谷海岸はこのトンネルを抜けてすぐ。絶対にこのトンネルを通らないといけないのだ。絶対に。
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「トンネルにまつわる恐いもの見たさと空気の重さ」
いざ出発。細いトンネルのせいか、出口までがかなり長く感じられる。トンネルの中は妙に空気が重い。ヒンヤリとするようでもあるし、生温いようでもある。どこか自分にまとわりついてくるような肌触り。決して後ろを振り向けないような圧迫感。どれをとってみても、まるで心霊スポット。
4年前、東京の青梅にある、とあるトンネルで、そこが心霊スポットである事を全く知らずに鼻歌を歌いながら通過した経験があった。後からそこが心霊スポットである事に気付いて背筋が凍る思いをしただけに、全く予備知識のないままにトンネルを潜るというのは人一倍緊張してしまう。でも、心の片隅でこの状況にワクワクさせている自分もいたりする。
そうだ、出口まで歩いたら後ろを振り返ってみよう。そう決めて出口へ辿りつく。わずかにカーブしているそのトンネルは出口側からだと向こうの入り口が全く見えなかった。それが不思議と不気味な印象を与えた。そして、それはそれでまた、帰りの上総興津駅までの道のりに「課題」を残す事になった。帰るにはまたこのトンネルを通過する必要があるからだ。
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「トンネルを抜けるとそこは房総一美しい浜辺だった」
トンネルを抜けると左には外房線の線路、そして右には守谷海岸の入り口があった。さっそく海岸へ向かった。目の前に広がる海岸。そこは房総一美しい浜辺だった。
海岸の沖数十メートル先には鳥居が見える。「ここは・・・」
3年前、雨の降る中、安房鴨川へ出かけた時に外房線の車窓から見た、海の中に鳥居のある不思議な海岸、それがこの守谷海岸だったのだ。
この鳥居のある場所は、引き潮になると浜辺から歩いて渡れるのだという。なんてドラマチックで、ロマンチックな海岸なんだろう。しかも、水が綺麗で、いい波を来ている。磯場も豊富で、葉山の長者ヶ崎へ来たような感覚。あまりの美しさに目が眩んだ。
こちらの浜辺では、海水浴客が沢山いた。この海岸で夏の始まりを確かめる事が出来た事を、素直に喜んだ。
「来てよかった」
心からそう思える、とてもいい海岸だった。それからパンツをまくり挙げて、ズブ濡れになりながら何枚も写真を撮り続けた。また来ようと思った。今度来る時は水着を持って来ようと思った。引き潮の時を狙って・・・。
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